外は氷点下、でも室内は27℃。パッシブ設計のすごさを体感しています
冬の朝、外に出ると気温は氷点下。
車のフロントガラスは凍り、吐く息も白くなるような寒さです。
でも——
建物の中に入ると、エアコンを強くかけているわけでもないのに、室内は約27℃。上着を脱いで過ごせるほどのあたたかさ。
「どうしてここまで違うの?」
そう驚かれることがよくあります。
その理由が、パッシブ設計です。
目次
1.パッシブ設計とは?自然を活かす住まいの考え方
パッシブ設計とは、太陽の光や熱、風といった自然エネルギーを上手に活用し、冷暖房設備に過度に頼らず快適な室内環境をつくる設計手法です。
「パッシブ=受動的」という意味の通り、機械の力で無理に環境を整えるのではなく、建物のつくり方そのもので快適さを引き出します。
具体的には、
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建物の向き
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窓の配置と大きさ
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日射の入り方と遮り方
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断熱性能
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気密性能
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通風計画
などを設計段階から細かく検討します。
同じ床面積の家でも、パッシブ設計を取り入れるかどうかで、住み心地と光熱費は大きく変わります。見た目では分かりにくい部分ですが、暮らし始めてから差が出る「性能設計」と言えます。

2.なぜ外が寒くても室内は暖かいのか
パッシブ設計の家が冬でも暖かい理由は、「熱を入れて、逃がさない」設計にあります。
まず重要なのが日射取得です。冬は太陽高度が低いため、南側の窓から室内の奥まで日差しを取り込むことができます。
この自然の熱を暖房エネルギーとして活用します。
次に、取り込んだ熱を逃がさないための
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高断熱仕様の壁・屋根・床
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高性能な窓(複層・トリプルガラス等)
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すき間を減らした高気密施工
が効いてきます。
さらに、床や内装材が熱をゆっくり蓄えることで、昼間の暖かさを夜まで持続させます。
その結果、外が氷点下でも室温が安定し、少ない暖房でも快適に過ごせます。

3.エアコンに頼りすぎない仕組み
一般的な住宅では、暑い・寒いを設備で調整する発想が中心です。しかしパッシブ設計は、「そもそも負荷を減らす」考え方です。
例えば冬だけでなく夏も、
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軒や庇で強い日差しを遮る
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窓の位置で風の通り道をつくる
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熱がこもりにくい計画にする
といった工夫を行います。
これにより、冷暖房の稼働時間と出力を抑えることができます。
エアコンは不要になるわけではありませんが、「常時フル稼働」から「補助的な運転」へと役割が変わります。
設備に頼り切らないため、将来のエネルギー価格の変動にも強い住まいになります。

4.家計にやさしい理由 ― 光熱費が変わる
住宅の性能は、毎月の光熱費に直結します。断熱・気密・日射設計がしっかりしている家は、冷暖房エネルギーが少なくて済みます。
特に冬の暖房費と夏の冷房費は、建物性能の影響を強く受けます。
パッシブ設計を取り入れた住宅では、
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暖房の設定温度を下げても暖かい
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冷房の効きが持続する
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温度ムラが少ない
といった効果があり、結果的に光熱費を抑えやすくなります。
住宅は建てて終わりではなく、何十年も住み続けるものです。
だからこそ、初期費用だけでなく「住んでからのコスト」まで考えた設計が重要になります。

5.健康面でもメリットが大きい住環境
パッシブ設計の住まいは、健康面にも良い影響があります。最大のポイントは、室内の温度差が小さくなることです。
一般的な住宅では、
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リビングは暖かい
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廊下や脱衣室は寒い
といった温度差が生じやすく、これがヒートショックの原因になります。
高断熱・高気密+パッシブ設計の家では、家全体の温度が均一に近づきます。そのため、
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冬の入浴がつらくない
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朝の起床が楽になる
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足元の冷えが減る
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過乾燥・過暖房を防ぎやすい
など、日常の体への負担が軽減されます。
快適性は「贅沢」ではなく、「健康への投資」とも言える時代になっています。

まとめ|これからの住まいは「性能で快適にする」時代へ
パッシブ設計は、特別な設備に頼るのではなく、太陽・断熱・風といった自然の力と建物性能を活かして快適さをつくる家づくりです。
外が氷点下でも室内は暖かく、夏は涼しく過ごしやすい。
その結果、光熱費を抑えられ、体への負担も少ない住環境が実現します。
毎日過ごす場所だからこそ、「間取り」だけでなく「性能」も大切に。
これから家づくりを考える方にこそ、パッシブ設計という選択肢を知っていただければと思います。
お引き渡し後も、安心して快適に暮らしていただけるよう、変わらず寄り添い、しっかりとサポートしてまいります。